あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

「あ、あの…私、仕事中なんでこれで失礼します」


これ以上ここにいるなんて耐えられない。


「そんなにすぐに帰るのか? やっと…雫の顔見れたのに?」


「えっ?」


そ、そんなこと、甘い声で言わないでほしい。


もっと心拍数が上がって大変なことになってしまうよ。


「今、新しい店舗の出店計画があって忙しい。なかなか『杏』に行けないのが残念だ」


やっぱり、忙しいんだ…


「そんなに忙しくされてて、お身体大丈夫ですか? さっき朝食も取られてないって…」


「……」


えっ、何で黙るの?


私、何か変なこと言った?


「す、すみません。出過ぎたこと言っちゃいました」


「いや…確かに自分の身体のこと、最近ちゃんと考えてなかったかもな。ジムにも全然行けてない」


「ジムですか?」


「ああ」


だからかな…


細身なんだけど、そんなに細すぎないというか、スーツの下は結構引き締まってるんじゃないかなって思ってた。


って、私、なにを想像してるのよ。