『ごめん、光平、突然電話して』


『そんなのいいよ。どうした?』


亜美は、旦那のモラハラに苦しんでいること、浮気も心配してること、泣きながら全部話してくれた。


俺はいろいろ親身に話を聞いて、結局、すぐに旦那の浮気を突き止めた。


そいつは、最低最悪な男だった。


だから、躊躇することなく亜美に離婚を勧め『こいつを守りたい』と…心から思った。


希良のことを思い続ける亜美のこと、俺はずっと好きだった。


希良は最高に良い奴だから、亜美を泣かせても嫌いにはなれなかった。


キレイに諦めたつもりだったのに…


旦那のことで泣く亜美を見て、放っておくことなんてできるわけなかった。


今日、俺のマンションに亜美が引越してきた。


行くところがない亜美を誘ったら『光平と一緒にいたい』って、そう言ってくれたんだ。


旦那と離婚して、独り身の亜美。


寂しくて弱った心につけ込むみたいでズルいのかも知れないけど…


それでも俺は、こいつのこと、もう絶対に泣かせたくない。


今夜、亜美に告白しようと思う。


そして…


いつかは必ずプロポーズして、俺の奥さんにする。


希良…


俺も、今度こそ幸せになるから。