「慧さんは、お義母さんを好きになって、ずっと今も独身を貫いてるんですか?」


真っ直ぐな目で俺を見る。


「そう言ってしまうと、結婚できないのが雫ちゃんのせいみたいになるからね。俺は…ただ独身を楽しんでるんだ。この生活に満足してるから。人生の中で時々…こうして大好きな人に会えたら、それで十分っていうか。日々頑張っていればそんなご褒美がもらえる…みたいな感じかな?」


本当は、ちょっと強がり…なのかもな。


「素敵です。そんな捉え方ができるなんて。慧さんは最高にロマンチストなんですね。お義母さんは幸せですね。あんなカッコいいお義父さんと結婚して、慧さんからもずっと想われて…何だか映画や小説の世界みたいです」


「ロマンチストなんて、今まで1度も言われたことないな」


2人で笑う。


「私も…正孝君に一生想ってもらえるように頑張りたいです」