祐誠さんは、仕事で遅くなるって連絡があった。


先に正孝と2人で食事する。


こういうことは、正直少なくない。


祐誠さんの気遣いで、自分のことは待たずに必ず正孝と食事してやってほしいと、子どもの頃からそう言われてる。


その代わり祐誠さんが帰ったらできるだけ隣にいるようにして、正孝のことやずっと続けてるパンの販売のこととかを話してる。


疲れてるのに申し訳ない気もするけど、ちゃんと私の話に耳を傾けてくれるから、ついつい話が弾んじゃうんだ。


落ち込んだら励ましてくれたり、嬉しいことがあると一緒に喜んだり…


本当にこの人は、どうしてこんなに優しいんだろう。


確かに正孝には仕事のことを少し厳しめに教えたりはしてるけど、それ以外の時はずっと寄り添って支えてあげてた。


自分磨きも怠らない、超イケメンぶりはずっと健在だし、祐誠さんはとにかく『最高の夫』であり『最高の父親』なんだ。


こんなに魅力に溢れた完璧な人が近くにいてくれる現実に、改めて、私は世界一幸せ者だと思った。