あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

えっ、プ、プライベート!?


そんな大切な番号を…?


「あと、配達は雫に頼みたい」


そう言いながら、榊社長は名刺を差し出した。


「えっ? 私…ですか?」


「ああ。君にお願いしたい」


「すみません。全部あんこさ…いや、店長に聞いてみないと何とも言えないので…」


「ああ、返事待ってるから」


「は、はい…」


「じゃあ、また」


そう言って、榊社長は目の前のその素敵なマンションに入っていった。


ここに…住んでるんだ。


私は名刺を手にしたまま、視線をかなり上にあげた。


「す、すごく立派…」


私なんかには到底住めない豪華なマンション。


あの人、ここに1人で暮らしてるの?


雑誌の記事…彼女いないとか本当なのかな?


実は恋人がいて一緒に暮らしてるとか…


いても、いないっていう場合もあるだろうし。