「ちょうどいい距離だって言ってたよ。仕事もあるから、たまに会えるのが新鮮でいいって。毎日電話してるみたいだし。本当に若いっていいわね~雫ちゃんと榊社長、前田君と幼なじみの彼女。話を聞くだけでキュンとするわ~」


あんこさんはそう言って、笑いながら仕事に戻っていった。


夕方になって、休憩中に果穂ちゃんが声をかけてきた。


「どうしたの?」


最近はあまり会話もしてなくて、ちょっと寂しい。


「雫さん。私、慧さんにちゃんと想いを伝えました」


突然、真剣な顔で言った。


「そ、そうなんだ…」


「雫さんのことが好きだからって…そう言われました。だけど、私は慧さんのこと絶対に諦めません」


果穂ちゃん…


「雫さんとあの社長さんが付き合うのは勝手です。好きにして下さい。でも…もう、慧さんの心を惑わせるようなことはしないで」