「お前な、そういう言い方止めてくれよ。変な目で見るの、絶対ダメだからな。あの人は…優しくて本当に素敵な人なんだ。一緒にいたらさ、すごく楽しくて幸せな気持ちになれる」


「へえ~じゃあさ、希良は、雫さんのことを1ミリもそういう目で見てないってこと?」


光平は、意地悪そうに聞く。


「そ、そりゃ…僕だって…男だからな。雫さんと…って思ったりも…」


ニヤニヤしてる光平。


「希良」


「ん?」


「お前さ、雫さんの話してる時、嬉しそうだな」


「え?」


「最近大学で元気ないけど、今は…すごく幸せそうだ」


光平…


そっか、僕は、雫さんにフラレた。


フラレたのに…


雫さんに会うと自然に笑顔が出て、気持ちが元気になってる。


例え報われなくても、好きな人をただ好きでいられることは…


もしかしたら、ものすごく幸せなことなのかも知れない。


無理に、雫さんを忘れる必要はないのかなって…ちょっと思った。