「関係なくなんかないよ!」


そう言って亜美は、突然、僕に抱きついた。


「私…やっぱり希良君が好き。大好きなんだもん」


周りからみたら、今の僕達がしてること、これが青春みたいに見えるのか?


「やめろよ。僕は…悪いけど、誰のことも好きになれないから」


「本当にどうしちゃったの?」


「僕は…いつもニコニコ笑えるわけじゃないよ。亜美や光平、みんなといると楽しい。前はそう思ってたし、そんな毎日が続くと思ってた。でも、僕は…」


「希良君…」


「恋をしてしまったんだ」


「恋を…した…?」


亜美の顔がひきつる。


「年上の女性。すごく綺麗で…優しい人。一緒にいたいって思ってたけど…フラれた」


「そんな…その人が希良君から笑顔を奪ったの? こんなに素敵な人をフルなんて…」


「僕なんかたいした男じゃない。フラれたくらいでこんなにウジウジして…」