もう少し浸かっていたかったけど、2人一緒にお風呂から上がった。


旅館のバスタオルは上品な手触りでふわふわしててすごく気持ちがいい。


「貸して」


祐誠さんは私の手からそれを取ると、優しく体を拭いてくれた。


「えっ…」


こんなこと、子どもの時以来誰にもされたことなかった。


顔から首、そして胸…


丁寧に足先まで…


私はずっと立ったまま動けなくて。


何だろう?


この感覚…


こんなにもドキドキして、勝手に体が火照り出してる。


もう、何もかも全て…


祐誠さんに見られてしまってるんだ。


その視線が私の何を見てるのか、すごく恥ずかしいけど…


「このまま何をされてもいい」


なんて、そんなことを思ってる自分がいて…


「終わった」


「あ、ありがとう…ございます」


私はどうしようもないくらいの胸の高鳴りを隠し、急いで浴衣を着た。