「素敵…」


「ここからは、美しい湖とその向こうに山が連なって見えます。ベランダの露天風呂に入って頂けますが、夜の景色も格別ですので、ぜひどうぞ」


仲居さんがお茶をいれながら言った。


ベランダに露天風呂が…


嬉しいけど、自然に赤面する。


その時、祐誠さんは女将さんに話があると言って出ていった。


「美山様。私は先程の女将の孫なんです」


「そうなんですか?」


そう言えば、どことなく似てるかも…


「はい。母も若女将として働いております。私は…まだ修行中で」


私より少し年下かな?


「頑張ってるんですね。お若いのに偉いです。いつかはここで女将さんになるんですよね」


「はい。まだまだ未熟ですけど、頑張ります。祖母みたいに皆様に愛される女将になりたいので。今回、榊様が予約をいれて下さった時、美山様のこと…大切な人と行くからって祖母に言ったそうなんです。祖母は、ずっと榊様のことを心配してましたから。それはそれは本当に喜んでいました」