「誰に言われても…無理なんだ。俺が雫ちゃんを好きな気持ちは何があっても変わらないから」


変わるわけがない、こんなに想ってるのに。


「雫さん…あの人はいったい誰が好きなんですか?」


「彼女にはっきり聞いたわけじゃないよ。だけど、わかる。雫ちゃんの目に映るのは俺じゃないって…」


「榊社長ですよね!?」


「……」


「雫さん、あの御曹司の社長さんとくっついたんですか! 私はあの人が誰と付き合おうが全然構いませんけど、でも結局…お金じゃないですか。あんな見た目も良くて、お金も持ってて、そういうのに惹かれて付き合ったんですよね。なんか…最低。振り回すだけ振り回しておいて、慧さんが可哀想です。私なら…そんなひどいこと絶対にしません!」


果穂ちゃんの想い…


俺には重すぎて…


本当なら若くて可愛い女の子に告白されて嬉しいはずなのに、心は全く弾まなかった。