キリッとした目と整えられた眉。


鼻筋が綺麗に通った高い鼻、少し薄めの唇がセクシーでちょっとクールな印象。


もちろん好みの問題だけど、あの人をイケメンじゃないという人がいたら理由を聞いてみたい。


絶対に…いないと確信する。


それくらい、とんでもないイケメンぶりだ。


「お店入ります」


私は私服にエプロンを着け、あんこさんにそう言った。


「ねえ、あの人に声かけてみたら? 雫ちゃん、1度も話してないでしょ?」


「無理ですよ。何を話せばいいかわからないですから。レジの対応だけで精一杯です」


「みんな話したがってるのに、雫ちゃんは謙虚ね。それともタイプじゃないのかしら?」


あんこさんがちょっと意地悪そうに笑った。


「タイプとかっていう問題じゃないですよ。あんな素敵な人が私なんかを相手にするわけないですから」


そうだよ。


こんな私なんか…


恋愛対象として、誰からも相手にされてない。


あんなイケメンならなおさらだ。