彼女への想いは、決して恋や愛なんていう感情なんかじゃない、そう自分に何度も言い聞かせた。


それから1年…


ただがむしゃらに仕事だけをこなし、あらゆる事業やイベントを成功させ、それを父もとても喜んでくれた。


周りにも認められた。


だけど…


あれほどまでに『自分とは関係ない、彼女と出会ったこと自体幻だったんだ』と、まるで暗示をかけるみたいに生きてきたのに…


俺の心は…満たされることはなかった。


どんなに自分に嘘をついても、いくら努力しても、全部、無駄だった。


仕事に夢中になっていたとしても、本当は、片時も彼女を忘れたことはなかったんだ。


忘れたくても…


雫の眩しい程の笑顔が消えることはなく、それどころか、ますます輝きを強めて…


俺の中に留まり、存在し続けた。


俺は自分の気持ちに気づいていながら、1年間もそれを認めず見て見ぬふりをしていた。


仕事のためだと強がって。


そうやって、自分自身の心を、ずっとずっと痛め続けていたんだ。