あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

「それはいいですね。味がわかれば買いやすいですから」


「本当にその通りです。茶葉を入れる袋にもこだわって、可愛いものからシックなものまで、お客様の好みに合わせて使えるように、たくさん種類を用意して下さいました。おかげでイベントは大盛況。袋が可愛くてお茶も美味しいと、若い世代の方からご年配の方まで…茶葉も飛ぶように売れました」


聞いているだけで、私もそのイベント会場にいるような気分になってワクワクした。


「高級百貨店ということもあり、贈答用の高価なセットもたくさん買って頂いて。そのイベントの内容は全て…社長が1人で数日間で考え出してくれたものでした」


「1人でですか?」


「そうなんです。今回に限っては、全て社長自らが考えると仰ったそうです。それに、社長がコツコツ作り上げた人脈のおかげで、かなりの有名店も参加してくれて、イベントは大成功でした。その後もずっと百貨店にうちの茶葉を置いて頂き、有難いことに人気商品になったんです」


「こんなに美味しいロイヤルミルクティーが飲めなくなるなんて…悲しいですもんね。本当に良かったです。社長さんは、この味と前田さんのご家族、どちらも守りたかったんですね」