あんこさんは、どうしてこんなに魅力的なんだろう。


女として私に足りないものを全部持ってる。


うらやましいけど、何百回も生まれ変わる以外に、このレベルの女性に到達する方法はないんだろうな。


それくらい、佐久間 杏子さんは素敵な女性だ。


小顔に黒髪のショートカットが嘘みたいに似合って。


見た目はもちろん、性格もいいところが本当に好き。


そうこうしてるうちに『杏』のお客様はみんな帰って閉店になった。


今日は本当に忙しい1日だったな。


桜もほとんど散ってしまって…


ちょっと寂しい。


だけど、春の柔らかな雰囲気はまだまだ残ってて、それは嬉しかった。


その時、慧君が店の裏から入ってきた。


「あれ? こんな時間に配達?」


「いや…ちょっとね」


「あっ、ちょうど良かった。慧君に相談があるんだ」


「相談…?」