「すごいじゃない! 雫ちゃんが先生になるなんて!」


「あ、いや、先生ってわけじゃないですよ。ただ教えるだけです。でも、パン教室なんて自信なくて」


「ダメダメ。このチャンスを逃しちゃダメだよ。そんな弱気にならないで。私も協力するし、頑張って。うちのパンも出してもらえるなんて光栄なことだよ~本当に雫ちゃんのおかげ。ありがとうね」


あんこさんが満面の笑顔で言ってくれた。


誰に言われるより説得力があるし、恩人のあんこさんの役に立ててるなら、やっぱり嬉しい。


「はい…何とか頑張ってみます。1番簡単なノーマルパンにして、いろいろな形や味を作って楽しんでもらおうかなと思うんです。強力粉は慧君にも相談しようと思ってます」


「そうだよね。子ども達が作るなら、難しいパンよりそういう方が楽しいわよね。いいじゃない。私も何を出そうか悩んじゃう~」


あんこさん、すごくウキウキしてる。


夢を見る少女のように可愛い。