私は、祐誠さんの意外な一面を見て、ちょっとほろっとした。


その時、祐誠さんは急にソファから立ち上がって、私の隣に座った。


えっ?


どうしたの…?


そこから1秒。


「少しだけ…このまま」


祐誠さんの囁きが、私の耳元をかすめた。


何が起こったのか全く理解できなくて、自分の中の時間がピタッと止まってしまった。


でも、すぐに体中に温かな何かが流れ込んできて、私は…


祐誠さんに包まれてるんだとわかった。


想像もしなかった出来事。


私の背中に感じる、祐誠さんの両方の手のひらの感覚。


これって…


「初めてだ。自分以外の誰かに、俺の弱さを見せたのは…」


「祐誠…さん」


かろうじて口が動いた。


「雫…頼む。俺のこと、抱きしめて…」


止まらない祐誠さんのお願い。


甘くて艶っぽいその声に、私はドキドキし過ぎて息の仕方がわからなくなってしまった。