あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

「全然構わない、楽しそうでいいよ。さっきの彼女は、渡辺君のことが好きなのに相手にされなくて…ヤケ酒かな。すごくモテるんだね、君は」


東堂さんがまた微笑んだ。


「いえ、別に…モテません」


何て答えればいいのか迷った。


東堂さんの方が、僕なんかよりずっとモテるのに。


とりあえず、僕らはお酒やおつまみを頼み、乾杯した。


「大学生活はどう? 勉強は大変? 仲間がたくさんいるから楽しいだろうね」


「どうなんでしょう…確かに前までは楽しく通ってました。理科の教師にどうしてもなりたくて、それだけが前に進むモチベーションだったんです」


本当に…そうだった。


勉強も苦にならなくて、どんなことにでも前向きだったと思う。


息抜きで仲間とワイワイやりながら、バイトも頑張ってた。


なのに…


「今は違うの?」


その質問に、僕が首をひねって考えていたら、


「さっきの続き…聞いていいかな?」


って、東堂さんに尋ねられた。