「え……?」

「……僕、他に好きな人が出来たから。それに、遥ちゃんなんて最初から好きじゃなかった……僕は、遥ちゃんが嫌いなんだ」

私は、中村くんの言葉に何も言えないでいた。

「もしかして、気が付かなかった?休みの日とか一度も遊んだことないし、こうやって話しながら一緒に帰ったりするくらいしかしなかったのに?」

「……」

……そういえば、一度も遊びに誘われたこともないし、誘っても忙しいからって返されるし、学校にいても、帰る時ぐらいしか話しかけてくれないし……その時に疑うべきだったのかもしれない。

「……じゃあね」

中村くんは、そう言って私の方を見ることなく去っていった。



それから、私は休み時間に学校の屋上に出ては空をぼうっと眺めるようになった。

今も屋上に来て、空を眺めてる。中村くんのことを思い出してしまって、私の目からは涙が零れた。

「……死にたい」

いつからか口癖になってしまった言葉。あれから、同じ学校にいる中村くんの彼女は皆に分からないように私をいじめるようになった。

もう、誰も信じられないよ……。

「ここから飛び降りたら楽になれる……?」

私はそう呟いて、柵を乗り越えて立つ。今は、授業中。誰も私を止めに来る人なんていないはず。