「夏津樹〜!せっかく女子も入れたんだから、お互い彼女ゲットできるように頑張ろうな!あれ?そういや、お前と小笠原ってもうすでに付き合ってるんだっけ?」

友達がからかってきたため、夏津樹は「うるさい!馬鹿!」と友達をかなり強めに叩いた。その様子を見て呆れた様子の女子から「早く行くよ〜」と声をかけられる。

最初に乗る予定のアトラクションに向かって夏津樹たちが歩いていると、いつの間にか女子の友達と話していたはずの愛梨が夏津樹の隣にいた。隣に好きな人がいる、そう嫌でも意識してしまい、夏津樹の頬が赤く染まる。

「実はさ、あたしも夏津樹と一緒で寝れてないの。ユニバに来るの初めてでドキドキしちゃって……」

愛梨がそう言い、微笑む。夏津樹がよく見ると、目の下の隈を隠すためなのか、愛梨の顔には薄っすらとファンデーションが塗られていた。

「俺もユニバ初めてだよ。でも絶対行きたい場所があるんだ」

夏津樹がそう言うと、愛梨は目を輝かせる。そして、「あたしも行きたいところあるよ!」と言い、二人は同時に行きたいところを口にした。