「あのね、僕、ずっとこの気持ちが芽生えてから考えいたんだ。どこでこの言葉を言うのがいいのかなって。それで、真っ先に思いついたのがここだった。ここで告白して、両想いだってわかった時、すごく幸せだったから。だから、ここで言わせてください」

蒼は小さな箱を開け、その場に跪く。明かりに照らされて箱の中のダイヤの指輪が煌めき、夢芽の瞳に涙が浮かんだ。

「僕と、結婚してください」

蒼はまっすぐに夢芽を見つめる。夢芽は涙を拭った後、「……こんな私でよければ、お嫁さんにもらってください」と微笑む。大勢の人たちが拍手で祝福してくれて、蒼はペコリと頭を下げながら夢芽の薬指に指輪をはめる。

「ありがとう」

夢芽がそう笑った刹那、蒼の唇に柔らかい感触がした。二人の唇が重なったのだ。

「ずるい。今度は僕からね」

シンデレラ城の前、未来を約束した二人の唇が、もう一度重なった。