蒼がそう言うと、「ジャスミン、すごく可愛いよね」と夢芽が笑う。その時、初めて見た夢芽の綺麗な笑顔に蒼はドキッと胸を高鳴らせ、そこから夢芽のことが気になり出したのだ。

「夢芽はディズニー映画で何が好きなの?」

「たくさんあるけど、眠れる森の美女かな。オーロラ姫が一番好きだから!」

ディズニーの話で盛り上がり、ディズニー映画が公開されるたびに一緒に映画を見に行くようになった。そして、蒼は夢芽のことが好きなんだと自覚したのだ。

ディズニー映画みたいなロマンチックな出会いじゃないし、ディズニーに登場する王子様のように誰もがときめくようなイケメンでもない。それでも、あふれる気持ちが抑えきれず、蒼は告白をするために冬休みに夢芽をディズニーデートに誘ったのだ。

アトラクションやパレードを楽しんだ後、シンデレラ城の前で蒼は震える声で言った。

「ずっと前から、夢芽のことが好きです。付き合ってください」