そのまま買い物もした
「これよくない?」
「かわいい!」
キーホルダーもお揃いのやつを買った
「こんにちは」
「コンニチハ」
「すげー!犬のロボットが喋った!」
「えー!すごーい!」
「エー!スゴーイ!」
「おもしろいなこれ!」
楽器屋さんにも行った
「キーボードやらないんでしょ?」
「うん、出来ないってことわかった」
「諦めが肝心だよね」
美優子さんはお試し用のキーボードを弾く
「あーこの瞬間が落ち着くわー」
「弾いてる時が癒しってのもすごいぞ?」
美優子さんが愉快に弾いてると
何故か人が集まっていた
「プロの人?」
「すごいね」
「めっちゃ上手い」
そんな声が上がる
「美優子さん、目立ってるよ?」
「え?なんで?」
「普通に上手く弾けてるから」
「恥ずかしい!逃げよ」
楽しいな
こんなに時間が早く感じたことなんてないぞ
俺はあの地獄のような日々から抜け出して
こんなにも幸せな時間を過ごせるなんて思いもしなかった



