「……」

フリージアは男性の1人を投げ飛ばし、シオンは男性を蹴り、エヴァンは男性を思い切り叩く。

「フィオナ!後ろ!」

エヴァンの声に、フィオナは後ろを向いた。フィオナの後ろから鉄の棒を持っている男性が走ってきており、フィオナは身構える。

そして、無駄のない動きで男性を思い切り蹴り上げた。

男性の手からすり抜けた鉄の棒が、フィオナに向かって飛んでいく。

その時だった。

何本かのツタがどこからか飛んできて、それは男性や鉄の棒に巻きついた。

「……一体誰だ!?」

自分に巻きついたツタを見つめて、男性が言う。暗闇の中から、サルビアが姿を見せた。サルビアの片手には、何本かのツタが握られている。

「……」

(そっか、サルビアさんは自然を操る力があるんだっけ……)

エヴァンは、構えを解くとサルビアを見つめた。

「……早く、警察に」

サルビアの言葉に、シオンは頷いた。



事件を解決した後、特殊捜査チームの拠点である家に戻ったフィオナたちは、世間話で盛り上がっていた。

「嘘!フィオナちゃん、ミステリー小説家なの!?すごいなぁ……」

「エヴァンくんは、獣医を目指してるんだ……すごいね」

レティシアとレイモンドは2人の職業を聞いて驚いた様子を見せた後、微笑む。