本の世界から現実の世界へ戻ると、「大丈夫だったか?」と父さんたちが心配してくれた。

「大丈夫だよ」

僕がそう答えると、「こいつ、頭を打って脳震盪起こしたよ」とリオンが言い、母さんがめちゃくちゃ心配した。

大丈夫だから、と言いながら僕はエリカを見る。エリカは帰ってきてから一言も発していない。

「エリカ?」

エリカは一点を見つめ、体を震わせていた。エリカの様子に僕はもちろん、みんなも戸惑っている。エリカの桜色の瞳から涙がこぼれ落ちた。

「エリカ!」

シャルロットがそう言い、エリカの元へ走る。そして二人は泣きながら抱きしめ合った。

「やっと会えた!」

「心配していたのよ!」

二人は泣きながら幼なじみであることを教えてくれた。行方不明になっていたエリカの幼なじみはシャルロットのことだったのか……。

好きな人の大切な人、シャルロットが少し羨ましくなった。