「……お、お嬢様」 どうしよう。あのまま攫われてしまった。 アリシアは混乱し、何をどうするべきかも分からずに泣きじゃくる。 デボラは恐怖のあまり気絶してしまったのか床に倒れ込んでいた。他の使用人たちも殺されるのを恐れて隠れているのか姿を見せない。 サロンの床に倒れている人が誰なのか確かめるのも怖くて、誰かがやって来るまで声を殺して泣き続けた。