「……なんでうちなのさ」

(まあシンプルで身ぎれいではあるけれどさあ)

 いくら何でも女の子を例にしないでよ。失礼な。まあ、とにかく早くしないと本当に遅刻する。そう思いながら歩き出すうちと良太。良太が歩くたびにアクセサリーの音がチャラチャラ鳴る。うるさいなぁなんて思って良太を見つめていると何故か笑顔を見せる良太。

「本当転校するのオレ不安だったんだ。人見知りすごい
し……」
「そうは見えないけど」

(現在進行形でめっちゃペラペラしゃべってますやん? コレで人見知りってありえないわー……)

 むしろコレが人見知りなら何が人見知りなの? 意味わかんない。

「女の子相手だと恥ずかしくて何も言えなくなるから、オレ」
「はい?」

(ちょっと待って、もしかして良太ってうちのこと……)

「本当良かった。同じクラスにソレを打ち明けれる男友達がすぐできて! 本当助かったよ!」
「…………」

(やっぱり……!?)

 嘘だろ。そりゃ、うちは男の子みたいな服装と髪型してるけど!

「……ごめん、あのさ、良太にうち……言い忘れてたんだけど」
「ん? 何を?」

 良太が首をかしげながらうちの顔を見る。
 そんな良太を見てため息をつきながらうちは申し訳ない気持ちで言った。