女の子の友達を紹介したり、輪に入れる程度で終わるだろうし、それぐらいなら可哀想だし協力してあげてもいいかもしれない。なんか気弱なヘタレっぽいし、変なことはしないだろう。うん。

「別にいいけれど……」
「本当!?」
「うわっ!?」

 いきなりうちの手を握りしめて立ち上がる男の子。以外と身長あるじゃん。うちと大差ないぐらい……並んでみると肩幅もなくはない。案外運動部経験者かも知れないなぁ。なんて関係ないことは置いておいて。

「ありがとう! オレ、成瀬! 成瀬良太(なるせ りょうた)! 1年1組! 君は?」
「うちも1年1組。名前は来栖由紀(くるす ゆき)」
「由紀!」
「いきなり名前呼びか」
「いいじゃん。オレのことも良太って呼んでよ」
「はあ……」

(人なつっこい子だなぁ……この調子でいけば女の子とも上手く話せるだろうに……何を気負ってるのだろうか。謎)

 むしろ彼女がいてもおかしくないレベルなのになあ。何で女の子が苦手なのかよくわからないけれど、まあソレは話したいなら話すだろうから放置しておいてあげよう。

「それより、早くしないとホームルーム始まるよ。良太」

 スマホの時計を見ると大分やばい時間になっていた。急がないと……うちの担任
結構うるさいんだよね。はあ。