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「おはよう、良太」
「あ、おはよう由紀。なんか元気ないね?」

(嘘、顔に出てた? 他の子には何も言われなかったのに……)

「え、そんな事ないよ。気のせいだって」
「なんか、疲れた顔してるけど、オレのせい? 今日は特訓休もうか?」
「別に、そういうわけじゃないし大丈夫。気にしないで、良太」
「……そう?」

 優しい良太の言葉に泣きそうになる。なんだかんだで、うちを女の子扱いしてくれるのは良太だけなのかも知れない。

「おい、来栖! 男子が足りないから合コン来ねぇ?」

(ほら、またこういう話が来る)

 うちがうんざりして振り返ると、ソレより先に……。

「何、女の子に失礼なこと言ってんだよ、お前ら……由紀が男子の代わりになるわけないだろ」

(!)

 なんて良太が言い出すから……うち、ときめいちゃった。

「えー、来栖なら下手な男より女の子にモテるだろー?」
「そりゃパッと見はそうかもけど、れっきとした女の子にソレは失礼じゃね? 皆」
「大丈夫だって、なあ、来栖」
「……あ、え」

(どうしよう、いつもなら笑ってそうだねって言えるのに……)

なぜだか今は胸が苦しくて返事ができないよ……。