(それに、何で相手が良太?)

 わけがわかんない。忘れよ、忘れよ。はあ。目眩がする。鏡に映る自分の菅を見てさらにまたため息が出る。どっからどう見たって、お世辞にも可愛くないうち。パジャマがメンズライクな物だからなおさら男の子みたい……。

(フリルとか、レースとか、リボンが似合わないんだから、仕方がないよ)

 小さな頃は気にせずに着ていたけれど……。

――やーい、男女! 似合わないくせにそんな格好すんなよ。お笑い芸人かよ! アハハッハ!!

(思い出したくない……)

 純粋だったあの頃の傷は、今も塞がってはいない。好きなモノを好きに身につけれる権利なんか、うちにはないのだから、
(お化粧とかも本当はしたい。だけど……聞くのも恥ずかしいし、笑われそうで……)

 1人勇気を出して化粧品を見ていれば、店員さんに「プレゼントですか?」なんて聞かれるし。自分用です、朋言えず苦笑いをして逃げたっけ。