あの後楽しい気持ちで帰宅したうちは、帰ってすぐにシャワーを浴びて眠った。

「何この格好、お姫様?」

 ああ。コレは夢だとすぐに気づく。だってうちの髪の毛はあり得ないほどくるくるのロングヘアーだったから。そもそもこのフリル一杯のピンクのドレスは、持ってるわけがない高そうなモノだし。

「おいで、オレのお姫様」
「え? ……良太?」

 目の前には王子様の格好をバッチリ決めた良太がいて。

「……何で、そんな格好?」

 そうつぶやいた瞬間、目が覚めた。

「……やっぱり、夢かぁ」

 だよね。こんな現実はあり得ない。うちはお姫様になんかなれっこない。神様に可愛くなれる風に選ばれなかった方の『女の子』なんだから……。ただ性別が女の子なだけ。そんな存在だ。わかってる。なのに何でこんな夢を見てしまったのだろうか。願望? 層なら最悪だ。かなう訳のない夢過ぎる。うちがお姫様になれるなんて、あり得ない……。