「由紀は何でそういう格好してんの」
「似合うじゃん?」
「まあ、よく似合うけど……それだけ」
「そういうことにしておいて」
「? わかった」
(コンプレックスだらけの自分なんか、恥ずかしくて見せれないよ。だって良太は
出会ったばかりの男の子だよ? 女友達にすら、言えないのに……)
本当は可愛い服着て女の子扱いされたいなんて、ねえ。笑われちゃうよ。きっと。
地面にある水たまりに映る自分を見てまたため息が出る。どうして、うちはこんなんなんだろうか。好きでデカく生まれたわけじゃないし、声がハスキーなのだって生まれつきだ。いいなあ。生まれつき『女の子』で居られる皆は。本当に、羨ましいよ。はあ。
(所詮人間は無い物ねだりだってのは、わかってるけどさー……)
それでもやっぱり、望んでしまう。自分にないものがキラキラして見えてしまう。ソレはきっと、良太もほかの女の子も男の子も皆同じだろう。
「似合うじゃん?」
「まあ、よく似合うけど……それだけ」
「そういうことにしておいて」
「? わかった」
(コンプレックスだらけの自分なんか、恥ずかしくて見せれないよ。だって良太は
出会ったばかりの男の子だよ? 女友達にすら、言えないのに……)
本当は可愛い服着て女の子扱いされたいなんて、ねえ。笑われちゃうよ。きっと。
地面にある水たまりに映る自分を見てまたため息が出る。どうして、うちはこんなんなんだろうか。好きでデカく生まれたわけじゃないし、声がハスキーなのだって生まれつきだ。いいなあ。生まれつき『女の子』で居られる皆は。本当に、羨ましいよ。はあ。
(所詮人間は無い物ねだりだってのは、わかってるけどさー……)
それでもやっぱり、望んでしまう。自分にないものがキラキラして見えてしまう。ソレはきっと、良太もほかの女の子も男の子も皆同じだろう。

