「この前は本当ゴメン……由紀……でも助かった」
「良太って本当に免疫ないんだね。女の子に……」
「触れるまでは、男の子相手な気持ちでいたけど、やっぱりなんか、近づくと無理だった……」
そのコメントは、個人的には喜んでいい物なのか怒っていい物なのか悩むところだ。まあ、お詫びに成瀬製菓のお菓子をたんまりもらったので、もんくは一つもないのだけど。本当におかし、美味しかったし。
うなだれ気味の良太は、あの後早退してしまった。そして次の日の今日の朝である今に至る。やっぱり女の子が好きってキャラ設定はさすがに無理があるのでは。まずは普通の男の子を目指すべき何じゃないのかな……?
「おはよう、成瀬くん」
「あ、おはよう。今日も、か、可愛いね!」
「きゃーありがとう! 成瀬くんっ」
「だって本当のことだからね!」
裏返る寸前の声で良太は言う。
(意地でも女の子好きキャラをやる気みたいだなぁ)
多分皆も、良太がウブなことぐらい気づいてる。その上で、無理してる感じが可愛いと思ってる。だって、他の子がそんな話してるのこの前女子トイレで聞いちゃったし。だから、こんな無駄な努力やめた方がいいと思うけど、なんか哀れで言えない……。

