竹内君が倒れてから2ヶ月。
その後、沢村君が急遽、竹内君のフォローに入り、仕事も順調に進んでいるみたいだ。

そして、私達の劇場のプロジェクトも、遂に完成まで漕ぎ着けた。

途中で諦めそうになりながらも、周りの人達が助けてくれたおかげで何とか、明日のリニューアルオープンを迎えることができそうだ。

セレモニーでは、私達はあくまでも裏方なので、脚光を浴びることのない仕事だけど、それでもそこに立ち会える喜びは大きい。

土曜日のセレモニーで、出勤扱いならないプロジェクトメンバー全員が参加をする予定だ。

本当に最後となる最終チェックを終えて、クライアントからもOKを貰えて、私達の仕事は終わった。

もちろん、明日の緊急事態には備えるけど、内装で 当日の大きなトラブルはないし、それがあった時には、セレモニーを中止に追い込む事態になることもある。

それだけは何としても避けたい。
最終チェックが終わった今、後は神のみぞ知るところになる。

私達は、後ろ髪を引かれながらも、劇場を後にした。
明日のセレモニーが終わる瞬間まで、この緊張感は続く。