お願い、名前を呼んで。

私達のちょっと波乱で、楽しい週末は終わりを告げようとしている。

今は、新幹線の駅へ向かう車の中。
隼人は黙って、私と片手を繋いだまま運転してる。

結局、一つだけ白井さんの忠告に従って、私達は、隼人の部屋で過ごした。

出掛けたのは、ランチと近くのスーパーの買い出しぐらいだった。

二人でペイパービューの映画を見ては、時々、野獣になる隼人を制してみたり、受け入れてみたりしながら、時間は過ぎていった。

でも、こんなに一緒にいた時間は初めてだったし、お互いの気持ちも話せて、絆も強くなった気がする。

これからは同期を卒業して、「喧嘩をしても大丈夫」な関係が始まっていく。

「隼人、遅くなったけど、メモありがとう。
嬉しかった。私の頑張るパワーがまた増えたよ。
それにこの週末で、隼人からいっぱい力を貰ったから明日からまた頑張れる。
劇場のリニューアルも絶対成功させるから、その時は隼人にも見に来て欲しい。」

「必ず行くよ。ていうか、それまでにも俺が優香不足になって、また倒れる前に会いに行くから。」

「隼人のショッピングモールが完成したら、その時は絶対案内してね。素敵な建物だったから、隼人のデザインした内装も楽しみにしてる。」

駅の駐車場に着くと、隼人が車を停めた。

「ここでいい。ホームで泣くのは嫌だから。」

「いいよ、ホームまで行くよ。」

「ううん、ここに二人でギリギリまでいたい。
だって、ホームだとキスしてもらえないし。」

「どうした?優香、飲んでる?」

「飲んでないよ。でも、週末に映画をいっぱい見たし、隼人にいっぱい愛されたから、影響されてるかも。」

「もう帰したくない。」

そう言いながら、隼人は熱くて甘いキスを何度もしてくれた。