「あのさ、今日、白井さんから何か言われた?」

「白井さんって、あの電話の人?昼にも言ったと思うけど、別に何も言われてないよ。」

優香も本当の事を言うつもりはないらしい。
絶対にそんな筈ないのに。

「月曜日のプレゼンはうまくいきそう?」

「うん。竹内君や皆んなのおかげで、何とかなりそう。プレゼンには山田部長も同行するみたいだし。」

「あの部長が?」

「そう、おかげで明日は出勤する羽目になったの。」

「週末まで仕事って、大丈夫なのか?」

「大丈夫だよ。私、元気だから。それに、月曜日のプレゼンが終わったら、ひと段落しそうだし。
竹内君は私に気を遣ってる場合じゃないでしょ。
早く寝た方がいいよ。」

「何か、やけにサバサバしてるな。」

「そう?前からだけど。私、明日も仕事だからもう寝るね。竹内君も仕事じゃないの?」

「そうだけど。あぁまた、優香と飲みたいな。」

俺はまた、あの夜を思い出す。
可愛かったな、あの時の優香・・・。

「またいつか、お互い仕事が落ち着いたらね。
竹内君は今の立上げが終われば、こっちに戻ってくるの?」

「あぁ、オープンしてしまえば、残務処理をして、こっちは引き上げる予定になってる。」

「じゃあ、飲みに行くのはその後だね。」

「そしたら、まだ3ヶ月以上先になるな。」

「仕方ないよ。それまでは忙しいでしょ。」

優香はそれで寂しくないのか。