お願い、名前を呼んで。

セレモニー会場には、そんな人は集まっていない。

11時からなので、後3時間はある。
待ち合わせ場所にメンバー全員が集まり、
私達は、裏口から会場内へと入って行った。

ロビーにいたクライアント担当者にお祝いの挨拶をする。

昨日、最終確認をしたのは夜だったので見れなかったけど、今は朝の光が天窓から差し込み、ロビー全体を光のベールで包んでいる様に美しい。

私が夢見た劇場がここにはあった。
思わず、涙が溢れそうになるけど、グッと堪えた。 

私達はあまり意味がないと知りつつも、手持ち無沙汰の余り、最終確認をして回る。

それも終わってしまったので、私達は一旦外に出てコーヒーでも飲もうと言うことになった。

「集合時間早すぎたね。ごめんね。」

「家にいても緊張で落ち着かないので、こうやって皆んなといる方がまだ紛れます。」

「確かに。私も昨日の夜は眠れなかったもん。」

皆んな、それぞれに思うところがあるんだろうな。

それぐらい、皆んなにとってもいい経験になったのなら、良かったと思う。