「ん〜!よく寝た!」
ここは、チキュウ。
私、可動梓沙はぐぐっと大きく伸びをする。
え?なんで、カタカナなのかって?
ここは、第二の地球。「チキュウ」。
1億年前まではこのチキュウはなかった。だけど、まだ、猶予ある地球は世界崩壊によって無くなってしまったんだって。
それで、地球と同じくらい、同い年の星を見つけ出し、そこに逃げ込んだのが、このチキュウだったというわけ。
私はまだ高校1年生だが、研究者として、この「世界崩壊」が起きてしまった訳を解明している。

解明して、絶対にもう二度と地球崩壊は起こさせない……!

そう、心に決めて。

キーンコーンカーンコーン
「やばっ!ギリセーかな?」
「おはよ。ギリセーだよ。早く座んな」
この子は私の親友、神狩月 尚(かがりづき なお)
「今日は転校生が来るんだって」
「転校生?」
今の時期に?珍しくないかな。
私は疑問に顔を歪める。
「変でしょ?この時期に転校生なんて」
尚が私の心を見透かしたように言う。
「うん。そうだ」 ガララッ
先生が来た。私達はピタリと会話をやめ、先生の言葉を待つ。
「おはよう。みんな、今日は転校生がやって来ましたよ。さあ、入って」
入って来たのは男の子。女子のほとんどが、黄色い声を上げる。
はっきり言って、美形なのだ。
銀色に輝く髪に狼のような金色で猫目。それとは裏腹に優しそうな微笑み。全てにおいて欠けていない。
「不道光です。よろしくお願いします」
キャーッと女子の大歓声。
うるさいなぁ。
すると

パチっ

目があった。
「ッ!」
私はすぐさま顔を晒す。何故か、彼の目を見てはいけない気がした。何か、吸い込まれていくような感じがして、ならなかった。