「浅葱さん!そっちの仕事は後でええやろ?先にこっち片付けて!!」

N先輩に怒られ、私は「わかりました」と元気なく答えて物品を片付けました。私なりに考えて動いているつもりでも、先輩の思うように動かなければ、いい駒ではないのです。

私は物品を一つずつ片付けていき、余ったものは物品がしまってある病棟の倉庫のような場所に持っていくことにしました。

重い荷物を持ち、倉庫の前まで来た時、N先輩が他の看護助手の先輩と話している声が聞こえてきました。何の話だろう、と会話を聞いた時、足元が崩れていくような感覚を覚えました。

「あの子ってこっちが言わな何も動かへんから嫌やわ」

N先輩が話している内容は、はっきりと私の名前があったわけではありませんが、私のことだとわかる内容でした。

泣きたい。死にたい。消えたい。そんな思いが頭の中で渦巻くも、学生だった頃のように泣くことはできず、ただN先輩が話し終わるのを待って倉庫の中に入りました。