亮太が紹介してくれた康太は、172cmくらいで、色黒、短髪。
かっこよくも、かっこ悪くもない、人のよさそうな顔をしたスポーツ少年って感じの見た目をしている。
その後、続々と私の友達も集合し残るは漣という、亮太の友達1人になった。
待っている間、康太と軽く話をした。
正直、康太と何か恋愛のようなことが起こるとは思わない。
大学生になってたくさんの男からデートに誘われた私は妙に理想が高い。
誘われた中で実際にデートをした人たちはどの人も不細工ではないし、どちらかというとイケメンが多かった。
でも、何か違う、この人ではないと思っているうちにどんどん月日が経ってしまったのだ。
私が興味ないそぶりを見せると向こうも、もうデートに誘ってくることはなくいつのまにか違う人と付き合っている男ばかりだった。
きっとそこそこ可愛ければ誰でもよかったのだろう。
しかし、付き合ってないくせにデート経験だけ妙に多く積んでしまった私は、たいして魅力もないくせに理想の高い女になってしまった。
だから、いかにも普通そうな康太にはあまり魅力を感じない。
きっと今日、何も起こらないだろうとがっかりしてしまった。(失礼な女すぎる)
そんなことを考えていると
「ごめんっ遅れた!」
笑顔で謝りながら改札を抜けてこちらに男性がやってくる。
彼は、あまりにも爽やかだった。
180cmくらいの高身長。長めの前髪にちょっと垂れた目がなんともいえない可愛いらしさを放つ。
「はじめまして、漣です。」
「はじめまして!!よろしくお願いします!」
返事をする女友達の声はワントーン上がっていて、イケメンの登場にテンションが上がっていることが分かりやすく伝わってくる。
よろしくね~と返事をしながら彼は私を見つめてきた。
「あ、亮太の友達の花ちゃん?よろしくね」
正直、近寄りがたいと身構えそうになるくらいの整った顔をしている。
それなのにかっこもつけずにとても明るい笑顔でそう話しかけてくるから、爽やかイケメンの代名詞と心の中で名付けた。
初対面なのになんで私が花と分かったのかはちょっと不思議だったけど、余計な会話はしないほうが良いと思ってスルーした。