プロローグ

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私は夜が好きだ。
相手と話す時自分の顔が見えないし、暗くてとても落ち着く。

夜空に浮かんでいる星を眺めるのも自分の心が安らぐ瞬間だ。

どんなに辛くても自分から流れ出る涙には気付かれないし、紅くなる顔色も見られない。

だから私は夜が好きだ。

「きっと明日も晴れるよ……。」

「なんでそんなこと分かるんだよ。」

「だって…こんなにも星が綺麗なんだから……。」

そう……。星たちはなんでも教えてくれる。

こうして沢山の星たちが輝いている日は必ず晴れて、雲が薄らかかる日には曇る。
星たちが雲に覆われた日は雨が降る。

「颯人だって分かるでしょ?明日が晴れるってこと。」

「分かるよ……。明日も今日みたいな日が来るってことも…………。」

颯人は空に浮かぶ星に手を翳す。

「颯人はいつもの日常が退屈なの……?」

「いや……違う。……寧ろこんな日常が続いて欲しいよ……。ずっと。……変わり映えのない世界が本当は一番幸せなんだから………………。」

「そっか…………。私もだよ……。」

私と颯人は公園で煌々と輝く星たちを眺めていた。