子供がちゅーっておねだりしてるみたい(笑)
海斗くんには言わないでおこう……
次に鞄から出てきたのは英語の宿題のプリントだった
「えっ、1問も解いてないじゃない」
「うん、英語が1番苦手なんだよな」
「じゃあ、解いて……赤点取るほどじゃないんでしょ?」
「ん?危なかった」
危なかったんだ……
「えっ、入学の時さ、男子の成績トップが海斗くんじゃなかったの?」
「入試はわかんないけど違うと思う」
「私は成績がトップだから委員になったと思ってたの
だから海斗くんが男子で1番だったのかと……」
「俺は、中間も期末も真ん中くらい……菜々美はずっとトップだろ?」
「うん、私はだって私立の進学校に本当は行きたかったもの……」
「えっ?」
あっ、言っちゃった
「はぁ、何で海斗くんには言っちゃうんだろうごめん……忘れて」
「忘れないよ、家の事情だろ?
んー、でも彼氏の俺に話してくれて嬉しい
もっと菜々美の気持ちは知りたい」
「うん…今は京華高校でよかったと思ってるよ
さっ、やろう、終わんないよ」
「うん」
1時間後
「もう、頭がパンクするー」
「単語だけはわかるんだね(笑)接続詞も助動詞と一緒に覚えなきゃ」
「何、それー」
海斗くんはだらんと横になった
「ココアとコーヒーどっちがいい?
休憩しよっか」
「コーヒーの甘め」
「ん、わかった」
菜々美は2杯のコーヒーを持ってきた
「サンキュー、あー、糖分〜おいし!」
英語のプリントをめくっていく



