「ごめんなさい、遅くなって」

『こんばんは』

2人はお母さんに再びお礼をいった

「全然、時間もちょうど空いてたからよかったのよ」

「本当にお世話になりました」

「あっ、これ、さっきお客様にいただいたのよ、2人に持って帰って」

高級そうな店のケーキだった


「実はこの前の文化祭で菜々美さんの事を気に入ってしまいましてねー」

海斗くんのお父さんが話し出した

「はぁ」

「将来の夢も是非私が叶えてあげたいと思っていまから色々考えているんですよ」

「だーかーらそれは俺が叶えるって前も言ったじゃん」

「夢?」

父親は菜々美の顔を見た


「あっ、私塾を開きたくて……家でね」

「お父さんは教師かとばっかり思ってたよ」


「菜々美さん、この人は職業病だから気にしないで(笑)」

「職業病?」

海斗を見る

「父さんは設計士なんだよ」


どうりでおしゃれな家だと思った

海斗くんもお父さんの後を継ぐのかな


「あの……お母さんは何のお仕事ですか?
あっ、差し支えなければですけど」

「私はインテリアコーディネーターよ
独立してるから、打ち合わせとかがお客様の都合で夜になったりするのよね
仕事終わりとかね」

「俺はほったらかし(笑)まあ、自由だけど」