インターフォンを押すとお父さんが出迎えてくれた

「どうぞどうぞ、はじめまして、海斗の父親です」

「は、はじめまして、この度はお世話になりました」

緊張しているお父さんの隣で菜々美は手土産を渡した


「ありがとう、菜々美さん、さっ上がってください」

「いえ、すぐに失礼しますから」


そう言わずにどうぞどうぞと促された

2階から海斗くんが降りてきた

「こんばんは」

「あっ、こんばんは、いつも下の子と遊んでくれてありがとう」

「いえ楽しいです」


ソファに座るとお父さんがお茶とお菓子をだしてくれる

お構いなく……

というものの、たくさんのお菓子が出てきた


「海斗くん、お母さんは?」

「もうすぐ帰ってくるよ
急な仕事が入って打ち合わせに行った」


父親同士は仕事の事を話し出した


「菜々美ちゃんに凄く負担がかかっているのはわかってるんですが3人の教育費や家のローンを考えるとやっぱり内勤じゃ厳しくて……」

「それは仕方ないです、そこら辺は菜々美さんも理解してるんだろ?」

「はい、理解してます……
それに母子家庭の時は1人で寂しいときもありましたが、弟と妹ができて、賑やかで楽しいので家事も頑張れました」

「菜々美の料理は上手いしな(笑)」

「ありがとう」

外で車の音がしてバタバタと母親が帰ってきた