あっという間に年が明けて共通テスト1日目

「あー、難しかった〜」

亮太と海斗は菜々美を待っていた

菜々美は走ってきていた

「ごめん!小学校から電話入ってて…これから迎えに行ってくる」

「熱?」

「うん、インフルがクラスで出てるからインフルかもって」

「菜々美、明日もテストなのに伝染るなよ」

「……家出れないかもね……」


熱のある小学生をさすがに1人で留守番させるわけにはいかない……

「無理なら2次で受けるから……ごめん、先に帰るね」

菜々美は走って帰っていった

亮太に帰ろうと促されて海斗も家に帰った



「ただいま」

「おかえり、テスト出来た?」



「難しかった……何で家にいるんだよ、仕事は?」

「今日は暇だったから午前中で切り上げてきた」

「あっそ」

冷蔵庫から飲み物をだしてバタンと閉める

「機嫌悪いなぁ」


機嫌悪いっていうか……

「何で菜々美だけが……俺……
菜々美に何でも頼れなんて言ったって何もできねぇ」


「何?どういうこと?」


「テスト終わったら学校から電話入ってて
妹がインフルかもって……
大事な試験なのに、何も力になれねぇ
俺やっぱりガキだ」

「当たり前じゃない、高校生だもん」

「菜々美だって高校生だ」


「よそ様の家庭の事情だから仕方ないじゃない、おばあちゃんとかいるんじゃないの?」

「菜々美のおばあちゃんじゃない……
それにインフルなら絶対年寄りに預けないはず」

「どういうこと?文化祭で……」


菜々美のところは再婚で本当のお父さんじゃないこと

おばあちゃんは菜々美のおばあちゃんじゃないから菜々美からは頼みにくいことを話した