お兄ちゃんの方が上手いんじゃないかな

なんて健くんは思ったけど

「あの人は上手いね」

剣也くんだった

「そうね、キャプテンしてるよ」

後半に入り得点は0対0

10分ほど過ぎるとメンバーチェンジで海斗くんが出てきた

「お兄ちゃんー」

琴が思わず叫ぶ

海斗と剣也のツートップで早速点を入れた

「すげぇ……やっぱり上手いや」

琴も喜んで拍手している

「かっこいい、かっこいい(笑)」

その後海斗はもう一点いれて試合は勝った

海斗がフェンスまで走ってくる

「どうだー」

「お兄ちゃんかっこよかったー」

「琴ちゃんありがとう、健は?」

「……レギュラーじゃねえのだっせ」

「健くん」

「でも、上手かったし……」

「そうか、サンキューな、あと一試合あるんだよ、帰りに寄るから」

頑張ってねと菜々美は声をかけて先に2人を連れて帰った

夕食の支度をしていると海斗くんがやってきた

「お疲れ様」

「うん、ありがとう、健は?」

「部屋にいる」

コンコン

「健、入るぞ」

「何?」

「試合見てどうだった?」

「うーん……まあみんな楽しそうだった」

「試合は練習試合でもワクワクするな(笑)」

「サッカーは嫌いじゃないんだよ、でもこの前上手い子とやったら実力の差を感じて……
兄ちゃん言ったじゃん中学からでもできるって」