前世の記憶

 私は今日事故にあった。
 大切な人を置いて私は死んだ。

 その日は校外学習で電車に乗っていた。静かに電車の中で本を読んでいるのは水蝶藤未来。稲上中学1年。明るく、優しい女の子だ。未来の隣にそっと座って来たのが竹叉木勇哉。同じく稲上中学1年。ちょっと意地悪だけど、みんなを笑わせてくれる男の子だ。
 「相変わらず、真面目だね。班長さんは」
 「勇哉、貴方も班長でしょう?」
未来と勇哉は家が近所で同じ部活の部長、副部長同士で幼馴染だ。
 「2人とも何話してるの?僕も入れて」
 「もちろん、いいよ。湘吾。」
 「遅いぞ、湘吾。」
今来たのは梨火川湘吾。同じく稲上中学1年。湘吾は未来と勇哉の幼馴染であり、親友だ。物静かで、何を考えてるかいまいち分からないミステリアスな男の子だ。湘吾はサッカー部に入っている副部長。今日は学校の校外学習で横浜に行くために電車に乗っている最中。未来はポケットからパスケースを出してある写真を見始めた。
 「未来が顔を赤くなってるw」
 「冬なのになんか暑いなぁw」
未来はすぐにパスケースをしまった。
 「もう!2人とも、からかわないでよ〜」
3人で電車の中で楽しく喋っている時に事故は起こった。大きな音と共に電車は宙を回転し、電車は粉々になった。生存者は0人、乗客者全員が亡くなってしまった。もちろん、あの3人も血を流して、息耐えてしまった。