2学期になり、席替えをするとなった時、私は海人くんの隣の席になった。

気まづくて、全然話せないし、授業でのペア活動もほとんど出来ない。

互いにどこか遠慮していた。

こんな席なんて嫌だ。

そう思ってたが、近くには雪もいて、お弁当の時間は楽しく話せた。

席替えから1ヶ月が経ってようやく海人くんとも話せるようになった。

それにより、海人くんの新たな一面を知ることが出来た。

①海人くんは韓国ドラマ(通称韓ドラ)が好き

②海人くんは本当にバスケが好き

③海人くんは人を惹き付ける力がある

なんでだろう。

いつも海人くんの周りにはたくさんの人がいて、みんな楽しそうに話してる。

それを見ると、羨ましくて、どこか悔しくて。

2学期の後半には、海人くんの事なんて気にしなくなっていた。

海人くんへの恋はこれで終わった。

でも、次は私が応援しなくちゃいけない。

そう思った。

雪は、私だけに話してくれた。

雪の秘密を。


実は、雪、海人くんが好きなんだって。

理由は私と一緒。

一緒にいて、楽しいから。

さりげなく気遣いができるから。


私からすると、納得の理由。

ただ、アイツの腹黒い一面を知っている私からすると、雪を応援するのは、少し辛い。

雪を私みたいな目にあわせたくない。

だって、大切な友達だから。

それでも、応援するのが私の仕事。

だから、私は行動に出るって決めた。

「雪のこと、どう思ってるかは知らないけど、私の時みたいなことしたら、許さないよ…」

放課後の教室で私は言った。

「なんのことだよ。別に俺は女子なんて、なんと思ってねーよ。」

海人くんは女子のことなんて気にしたことがない。

それなのに、女子は勘違いして寄っていく。

なんて罪な男なんだ。

それでも、雪を傷付けることは許せないから。

私は見守ると決めた。

雪はどんなときも私のそばにいてくれたから。