ヤンキーとお姫様


店から出たら外が暗かった



「ごめんね
遅くなっちゃって…」



「いや…
暗いけどまだ6時なってないし…
オレが誘ったし
気を付けて帰ってね」



「うん…
バイバイしたくないな…

話したら、もっと好きになった」



空を見て彼女が言った



「そんなこと言って
大学行ったらすぐ彼氏できるんじゃない?」



「できるかな…?

できたらいいな…

そしたら、長瀬くんのこと忘れられる」



「そっか…
オレ、忘れられちゃうんだ

オレ、忘れないよ
小室さんのこと

ありがとう
気持ち、伝えてくれて
戸惑ったけど、嬉しかった

チョコ、まだ食べてないんだ
帰ったら食べるね」



「うん…
話、止まらないね…
ごめん、長瀬くん風邪ひいちゃう

じゃあ、私も忘れないね
初めて、気持ち伝えた人だから…

最後、握手して!
それで終わり!
バイバイする!」



「うん
じゃあ…ハイ…」



オレが出した手を

小室さんが両手で握った



「バイバイ!長瀬くん!
頑張ってね!」



「うん、ありがと」



店の前で手を離した



温かくて優しいのに
オレの手を力強く握った小室さん



忘れないよ

もし今日が最後でも