ヤンキーとお姫様


「あれ?
コレ、お母さんから?」



机の上にあった手さげ袋を

姫香が見つけた



オレは答えなかった



「一輝のお母さん、センスいいね!
今話題の有名店のじゃん!」



「へー…そーなんだ」



「私も食べてみたかったんだ!」



姫香が開けようとした



「勝手に開けるなよ!」



強く言ってしまった



オレもまだ開けてなかった



姫香が来るのわかってたら
そこに置いておかなかった



「あ、なんか怪しい…
お母さんからじゃないね」



「誰からでも
姫香には関係ないだろ」



「ふーん…女子からか…
最近、一輝モテるもんね」



「誰が?
モテたこととかないけど…」



「一輝、夏休み明けから
人気急上昇だよ
知らなかった?

最初は3年生にイケメンの転校生が来たって
みんな騒いでて…

長瀬って…あのヤンキー?って
1年生の中では話題だったよ

バレンタインあげると迷惑かな…
受験終わったら告白しようかな…とか
言ってる子、今日も結構いたよ」



「へー…
受験終わるまで待ってたら
もぉオレ卒業するけどね」



そー言えば椎那も卒業だな

姫香寂しいかな?



「オレのことはいいけど
姫香は?
椎那と、どぉ…?」



「知らなかった?

…別れたよ」



「え…」



受験のことで周りで何が起きてるのか

全く知らなかった



それぐらい必死で勉強してた

姫香のことを忘れるぐらい



いや…

姫香のこと忘れたいから

勉強に集中してたのかも



「受験勉強が忙しいからって言われて
別れたの」



受験勉強忙しいって

椎那、推薦が決まってるはず



辞退したの?

それもオレが知らないだけ?



それとも

姫香に嘘ついてる?